DOG MAN/ドッグマン

イントロダクション

イタリア映画界の鬼才、
『ゴモラ』のマッテオ・ガローネ監督が放つ
衝撃の問題作、遂に日本へ!
異色のクライム・サスペンス『ゴモラ』(08)でゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞、セザール賞の外国語映画賞にノミネートされ、イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞7部門を獲得し、寓話的なヒューマン・ドラマ『リアリティー』(12)で同賞3部門を受賞。さらにその両作品で、カンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリに2度輝いた、現代のイタリア映画界をまさに背負って立つ鬼才マッテオ・ガローネ。
唯一無二の世界観と現実と悪夢を行き来するような映像、社会のダークサイドに鋭く斬り込むと共に、人間の弱さや愚かさに恐れることなく踏み込む脚本で、今や他に並ぶ者のない映像作家としてリスペクトされる存在だ。絶頂期を迎えたガローネ監督の待望の最新作が完成した。
カンヌ国際映画祭主演男優賞に輝く異才俳優が導く、
あまりにも奇妙だが胸を打つ結末とは──
イタリアのさびれた海辺の町で、〈ドッグマン〉という犬のトリミングサロンを営むマルチェロ。質素な店だが、大好きな犬の世話をしながら、愛する娘と会う時間と、仲間と食事やサッカーを楽しむひと時さえあれば、温厚で小心者のマルチェロは幸せだ。だが一方で、暴力的な友人のシモーネに利用され、支配される関係から抜け出せずにいた。ある日、シモーネから持ち掛けられた儲け話を断り切れなかったマルチェロは、その代償として仲間たちの信用とサロンの顧客を失い、娘とも会えなくなってしまう──。
マルチェロを演じたのは、全くの無名俳優だったのが、ガローネ監督に見出されいきなり主演に抜擢されたマルチェロ・フォンテ。本作がプレミア上映されたカンヌ国際映画祭でも、心優しい男が悪のワンダーランドへと転落していく様をリアルに演じて審査員を圧倒し、主演男優賞を獲得した。黙ってたたずんでいるだけで、全身から威圧感と凶暴性を放つシモーネには、肉体改造を成し遂げて挑んだ、『神様の思し召し』のエドアルド・ペッシェ。
平穏な日常にあいた穴に落ちたマルチェロがとった、あまりにも奇妙だが不思議と胸を打つ行動とは? 結末を心して見届けてほしい。この穴は、ある日突然、あなたの前にも現れるかもしれないから──。
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞・監督賞を始めとする最多9部門を制した、人生の不条理を容赦なく描く衝撃の問題作。